年下Prince.

｢……………。｣


唯斗先輩は、プリンを笑顔でほおばっている。

あたしはそれを黙ってみていた。


はは、なんかかわいいなあ…。



｢このプリンうまっ！｣



｢………………そんな甘いやつ
よお食えるなあ、唯斗。｣



秀斗先輩はどうやら苦手なよう。



｢おれ、甘いのめっちやスキやから！｣



双子やのに、正反対やなあ。



｢絢音先輩、おれもくっていい？｣


｢どーぞ、スキなやつ食べて｣



郁弥君は袋のなかを探りだした。



｢秀斗先輩も食べてください。｣




｢おれ、甘いのムリ｣



｢…そうなんや…。
あ、ポテトチップスも買っておいたんです。
それ食べてください。｣




｢お、気が利くなあ。｣



あたしは、へへと笑った。



｢絢音先輩は、なに食べるんですか？｣



｢え？なんで？｣



｢絢音先輩が先選んでください。
おれ最後でいいです。｣




じゃあ、お言葉に甘えて…



あたしは、シュークリームをとった。


｢ありがとう、郁弥君。｣



｢いえ。じゃあ、これにしよかな。｣





シュークリーム久しぶりに食べるなあ。





ぱく。




おいしい!!




ボトッ


…………？ボト？


けっこう、聞こえたけど。
なんか落ちた？



｢あ、落ちた。｣



と、唯斗先輩が言った。



あたしが食べていたシュークリームの
シューからはみでたクリームかと思ったけど、
落ちたのは唯斗先輩が食べてた、プリンやった。