年下Prince.
むくっとあたしは起き上がると、
不意に唯斗先輩と目があった。
恥ずかしくて、気まずくて、すぐに目をそらしたけど。
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキ…
わーわーわー!!
心臓がドキドキしてる!!
でも…。
あのときみたいな、
………郁弥君にキスされたときみたいな
ドキドキじゃなくて
不安なドキドキで…
これは、なんでなんかをその場で
考えようとした。
なにを…不安に、怖いと…
思ってるんか…
なんで…
ふと郁弥君を見ると、郁弥君は
無表情…
なんも思ってないんかなあ…
郁弥君は、あたしと唯斗先輩があんな状態に
なっても、なんも…
……………わかった。
さっきのドキドキは郁弥君に
どう思われたか、っていうドキドキ。
もう、自分の気持ちわかった。
美希ちゃん、わかったで。
あたしは、このとき曖昧やった気持ちを
はっきり知ることができた。
あたし、年下の郁弥君がスキなんや…。