年下Prince.
練習が終わり、部員のみんなは帰ろう
としてるところに郁弥君を見つけた。
「い…、」
郁弥君を呼ぼうと思って、
郁弥君の名前を言いかけたけど
口が止まってしまった。
郁弥君と美希ちゃんがしゃべってってるのが
目に入ったから。
なにをしゃべってんか、とかわからんけど、
美希ちゃんが笑ってるから
郁弥君が笑ってるから…
胸がギュって握られて苦しくなった。
美希ちゃんは…
あたしが郁弥君をスキなことは知ってるから
心配はせんでいい。
でも、郁弥君が美希ちゃんに笑ってるから…
あの笑顔はあたしに向けられてないから
苦しい…苦しい…
涙が目にたまるのがわかった。
こんな気持ち始めてやあ……。
「今日は…、帰ろう。」
あたしは美希ちゃんに声もかけず
そのまま帰ってしまった。