ツンデレ彼女!-短編-
周りを見ても、みんな見てみぬフリ。
誰も助けてくれそうになんかなかった。
……男の顔が怖い。気持ち悪い。
離して。誰か…
助けて―――。。。
「おい。こいつ俺の連れなんだけど」
背後から、低い声がした。
振り返ると…
男を睨んでいるアイツがいた。
「はぁ?お前誰だよ?」
男はヘラヘラと笑いながら、ぎゅっと私の腕を掴む力を強めた。
「お前こそ誰だよ?人の女に触んじゃねぇよ」
先輩は怖い顔をしながら、
男の手をいとも簡単に私の腕から引き剥がした。
「な、何すんだ――」
「おい。俺のこと分かってねぇのか?お前じゃ太刀打ち出来ねーと思うけど?」
そういいながら先輩は男の腕を捻り上げた。
「い…つつ…!!!」
「早く謝れ」
先輩は私が見たこともないような恐ろしい顔をして、
男を見下ろしていた。
なんか…やばそう!?
「ちょ、ちょっと先輩…やりすぎです!」
私が止めに入ると、
「――そ、そうか?」
先輩は急にいつもの調子になって、
男の腕を離した。
その瞬間、男はすごい勢いで逃げていった………。