ずっと前から愛してる
バンッという音とともに
私の目の前に大きな空が広がった
「……きれー」
取り乱していた心を
落ち着けてくれるような青い空
雲なんか1つもなくて、
ただ青い色が一面に広がっていた
手すりのところまで行って
下を見ると3階分の階段と
中庭的なものがあることがわかった
あたしはその場に腰を下ろして
ケータイを開いた
「…着信、ないっか…」
ちょっとだけ期待してた
直樹が着信くれてるんじゃないかって
ごめん、って言ってくれるんじゃないかって
でも、直樹にしてみたら
幼馴染の仲良い女の子ってだけで
恋愛感情はない
だからあたしが泣いてたって
どうでもいいこと
「あー…泣きそ」
こぼれそうになる涙を
ぐっと堪えて上を向いた
空がどんどん歪んでいく
一つまばたきをすると
一つ涙が零れ落ちた