ずっと前から愛してる






「…あ、チャイム」


「もう、戻れるか?」


「うん」




スッと立ち上がった修二くんを見て
馬鹿なあたしはやっと気づいた



修二くんがわざと、
あたしを1人にしないで残ってくれたこと

何もいわないで隣にいてくれて
涙がひいたあたしを元気付けようと
ずっと話してくれていた



非常階段の扉を開けて
行かないのか?って顔をしている
修二くんにあたしは言った




「修二くん…ありがとう!」


「…いーえ、ほら、戻るぞ」




とびっきりの笑顔で言ったつもりなのに
ぷいっと顔をそらされてしまった


非常階段を出て廊下を歩いていても
コッチを見ようとしない



ん?

修二くん顔赤い?

ここ暑いかな~?






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