ずっと前から愛してる






「…ったくー…
当の本人はどこ行ったわけ?」




あたしの口からは文句が絶えない
きょろきょろと辺りを見回して
不意にあるものが目に映った



「…あれって…」



屋上のさらに上、
はしごを上った先にある
屋上の屋上みたいな
小さいけどお昼寝するには
もってこいの場所だ


あれ、そういえば
前に直樹がいってたっけ

あそこはサボるには
最高の場所だ、って…



「もしかして…いる?」



少しの期待をこめて
あたしはお弁当を持ったまま
はしごを一段ずつ上っていった






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