ずっと前から愛してる





とん、とん、と
おぼつかない足取りで
ゆっくりと上っていく


背の低いあたしの視界が
やっとはしごから景色に
変わるとき、スッと
上から手が伸びてきた





「うひゃあ!?」


「…なんつー声だしてんだ
落ちるぞ。」


「な、直樹…?」


「なんだよ、さっさと掴まれ」


「う、うん…」



手を差し出してくれたのは直樹だった



差し出された手を恐る恐る握ると
思いっきり上に引っ張られた




「ギャっ!?」


「もっと可愛い声でねーのかよ…」




見事直樹の上に着地。

って、なんか押し倒す形に
なってるようななってないような…?






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