ずっと前から愛してる





不思議そうな顔をしていた直樹が
急に真剣な顔になった


それを見てあたしも
自然と真顔になった



「…なぁ、理穂?」


「な、なに?」



ちょっと沈黙があったあと
ポツリと直樹が呟き始めた



「本当に男とプール行くのか?」


「えっ…そりゃ、友達だし…」


「他の男に…肌見せんなよ」



直樹の膝の上に向かい合わせで
座るように直されたあたしに
直樹は腰の辺りにぎゅっと手を回して
あたしに抱きついた



「な、直樹っ!」


「無理、離さない。」



直樹の肩を押して抵抗するも
あたしの力なんかじゃ
到底かないっこない




「あたしのこと好きじゃないくせに
あたしのこと幼馴染としか思ってないくせに
そんなこと言ったり
抱きついたりしないで…!」



直樹の考えてることがわかんない

さっきは冷たく突き放したのに
今は抱きついてくるし
他の男に肌見せんな?

なんで…なんでそんなこと言うの?







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