大好きな君へ

教室に着き、座席表を見ると、あたしと悠は前後だった。


「友達できるかなぁ…」


なんて思っていると、前の席のコが振り返った。

「ねぇ、友達にならん?」


いきなり声をかけられてびっくりした。でも明るくていいコみたい。


「いいよ〜!あたし、藤堂由梨奈。よろしくね。」


「よかった〜!!ウチ、高畑沙織ってゆうねん。大阪にいたんやけど、高校からこっち来ることになってな。知り合い誰もおらんから、心配だったんよ〜」


そういう沙織は、背が高くて、細くて、すごい大人っぽい。でも関西弁が似合ってる。


「そうだったんだ〜!あたしも知り合いはひとりしかいないから友達欲しかったんだ♪」


「えー?知り合いって誰〜?紹介しぃ!!」


そう言われてあたしは振り向いた。


「紹介するね!あたしの幼なじみ、中川悠だよ!!」


「なんだよ?いきなり。」


「悠君っていうん?かっこええ名前やなぁ!あっ、ウチ、高畑沙織。よろしくな!!」


沙織のテンションに悠は驚いたらしい。


「よっ、よろしく…」



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