大好きな君へ
祭の会場である通りに着くと、すでに人があふれていた。
背が小さいあたしにとっては人ごみは大変。すぐに迷子になる。
そんなとき、悠が
「由梨奈、手つなぐか?」
って声をかけてくれた。
「大丈夫だから!昔みたいに迷子になんかならないから!」
「いや、お前は間違いなく迷子になんだろ?遠慮しないでいいからよ。」
「もう!!子供扱いしないで!高校生なんだよ?」
怒った口調であたしは言った。
「そうかよ!!じゃあ迷子になっても知らねえからな!」
「あっそ!!大丈夫だもん!」
そう言ってあたしは沙織と達也を追って歩きはじめた。