大好きな君へ

その後、沙織と達也も来てくれた。


「由梨奈〜!!なにかと思ったで〜!悠から連絡あってびっくりしたんやで!」


「ほんとだよ。」


沙織と達也にバッチリお説教されたあたし。


「まぁ、とりあえずなんにもされなくてよかったな。」


帰り道、沙織と達也と別れて悠とふたりで歩いているといきなり悠が話しはじめた。


「うん…」


「俺さ。由梨奈になんかあったらって思うといてもたってもいらんなくてさ。知らないうちに必死で探してた。」


「うん…」


「由梨奈。」


悠はそう言って立ち止まる。


「なに?」


あたしも立ち止まる。


「あのさ…。俺、由梨奈のこと、ずっと好きだった。」


夏の夜の少し涼しい風が吹く。



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