大好きな君へ

「そう…。それならいいけど。」


お母さんはあたしを疑うわけでもなく、リビングに戻っていった。


「嘘ついてごめんね…」


あたしは小さい声でそうつぶやいた。


部屋に戻って着替えたあたしはすぐに悠に電話した。


「あっ、悠?今平気?」


「平気だけど…どうかしたか?」


「いや、なんか悠の声が聞きたくなって…」


あたしは電話の前で照れながら言った。


「…ったく、由梨奈はほんとにかわいいな。」


サラっとこんな台詞を言える悠に尊敬…


「はっ、恥ずかしいから!!もぅ〜!」


「俺、ずっと好きだったんだ。」


いきなり真剣な声で話しはじめた。


「でも今までの関係は壊したくなかったからなかなか言えなかったんだ。」


「うん…」


「だけど達也にさ、言われたんだ。お前はそれでいいのかって」


「うん…」


「それで気がついたんだ。ほんとに好きなら言わなきゃだめだって。前に進まなきゃって。」


「うん…」


あたしは「うん」って答えるしかできなかった。



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