大好きな君へ
鏡を見て、思いにふけっていると、お母さんに下から呼ばれた。
「由梨奈〜?遅れちゃうわよ?悠君と待ち合わせてるんでしょー?」
「そーだった!」
急いで顔を洗う。
そして頬を1度軽くたたく。
「よしっ!!」
リビングに降りてご飯を食べる。
「ごちそうさま!」
そう言い残してダッシュで自分の部屋に戻す。
髪をアイロンで巻き、軽く化粧をする。そして真新しい制服に袖を通す。
あたしが星華高校を選んだのは制服もかわいいから。ピンクと茶色のチェックのスカートにピンクのシャツで赤いリボン。
鏡を見て自分が自分じゃないみたいだった。
あたしはもともと背がそんなに大きくない。理由があって運動ができないため、色も白い。でもまぁ、世間でいう'モテる'ってやつで…中学の時にも何人かに告られたけど、あたしはすべて断った。
あたしにはずーっと好きな人がいるから。