大好きな君へ
改札を出ると、星華高校に向かう人がたくさんいた。
「みんな同じ学年だよね…?」
「どう考えたってそうだろ。なんでだよ?」
「なんかさ…みんな大人っぽくて、先輩に見えるんだもん!」
「そうか?俺はそうは思わないけどな。由梨奈が子供っぽいからそう思うんじゃねえの?」
少しいじわるそうに笑う悠。
「またー!!人が1番気にしてることを…」
そう。あたしは見た目が小さいからよく子供っぽいって言われる。自分的にはかなり気にしてるんだ。
「まっ!由梨奈はそのままでいいと思うよ。由梨奈が大人っぽいなんて…」
「なんて…?」
「ぷっ!!想像できねぇ!」
「なによ!バカ悠!」
いつもの調子に戻った。
悠は時計を見ると
「やべぇ!間に合わなくなんぞ!」
「まじで?!あたし走れないよ?」
「走んないでいいから。急ぎ足で行くぞ。ほら、荷物貸せよ。持ってくから。」
悠はホントに優しい。