ラヴレター（仮）
文化祭を標準を合わせ宣伝活動に精を出したおかげか客入りは上々のはず。
その分こってりと搾られたのは言うでもなく、それすら忘れたかのようにはしゃぎ始めた一平に呆れたように各々の時間を過ごすメンバー。

「やべやべー楽しみすぎる」

興奮冷めやらぬ、といった様子で無秩序に鳴らしているようだけれどよく聴くとリズムを刻んでいる。

徐々に音が乗る。重なり奏でる音は曲となる。

ギター、ベースが続き唄い出すフレーズに差し掛かったとき音がぶれる。

曲から音へと成り下がったのは一平のリズムが狂ったから。
繰り返すように前奏へと戻る。意を組んだ２人も一平に従い、あたしを見て笑った。

「こいよ」

気持ちが一つになるって初めて知った。
今、ここにいる４人は同じものを見て、感じて、聴いて、表現したいと思ってる。


最後に、あたしの指が弦を弾いて音が曲に重なった。



これがあたしたちーーーーKishの音。
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