君は変人
現在<7月>
中2―頼朝―
「俺はね、俺は思うんだよ」
最近と言っても、ここ1週間の話だ。
桜がまた今までのようになって、桜論を聞かせてくれるようになったのは。
そして、浅川とも普通に会話してくれるようになったのも。
「政府は、もっと環境問題に取り組むべきだ」
相変わらず桜は、自然にだけは優しい。
その優しさを、少しは人に向ければいいのに。
「森林伐採なんて、もってのほかだ。
一体何を考えているんだ。
俺たちは自然に生かされているというのに」
玲菜が適当に相槌を打ってくれているので、今日は俺の出番はないようだ。
まあ、それに越したことはない。
それにしても、最近やはりどこかぎこちない。
そりゃあ、1か月前の4人で話すこともなかったときに比べれば、百倍マシなのだが。
だけど、やっぱり、浅川があの鋭いつっこみを入れなくなったのは、誰から見ても一目瞭然だ。
どこか、気をつかっているんだろう。
「でもさ、でもさ、そんなこと言って、桜の家も木造でしょ?」
とりあえず、1か月、浅川と田上は順調に行っているようだ。
さすがに、美男美女カップルの誕生ということもあり、というよりあの浅川が付き合ったということで、それなりの騒ぎにはなった。
俺が少し気にしているのは、一ノ瀬美雪のことだ。
彼女は多分、田上のことを好きなはず。
そして、なおかつ、浅川とも仲が良い。
「俺が言いたいのは、最小限に資源の活用を抑え、そして、もっと感謝してほしいんだよ」
感謝ねえ・・・・・・。
俺に言わせれば、桜はもっと浅川に感謝するべきだ。