君は変人

聞こうか迷って、聞くことにした。

あたしは、突進型だ、言い聞かせて。


「美雪、田上のことは、どう思ってるの？」


美雪が田上のことを好きなのは知ってたけど、あえて少し遠回りな聞き方をした。



「えっ！
私、玲菜に言ってたっけ？」


「言ってた、言ってた」


早く本題に入ってほしかったので、適当に嘘をついた。



「んー相手は、川さんだから。
でも、私としても、そう簡単には諦められないわけで」


「その気持ち、分かるよ」


「うん。
だから、勝手に好きでいるの。
どうせ、健人、私が好きなこと気付いてないと思うし。
多分･･････川さんも」


あたしの顔色を窺うように、美雪は言った。


「気付いてるわけないじゃん。
あの川さんだから」


あんだけ綺麗で、あんだけモテるくせに、恋には鈍い人。

まあ、桜を好きだった時点で、何か恋に対してはどこかおかしいと思う。



「そっか。
なら、いいんだ。
あのね、私さ･･････」

美雪は、口ごもった。


「何よ？
言うなら、最後まではっきりと」


美雪はまだ罰の悪そうな顔をするので、きっと睨んでみた。

うじうじは、嫌いなのだ。