君は変人
なぜか桜は黙ってしまった。
誇らしげにその女子は桜を見つめていた。
「俺には恋愛感情がない」
しばらく経って、桜は言った。
皆はまたもや唖然とする。
当り前と言えば、当り前だ。
頭がおかしいのか、と思う人もいるだろうし、冗談でもそれはうけねえよ、と思う奴もいるだろう。
とりあえず、そこで一旦桜の演説は終わった。
「さ、佐倉くん。
時間おしてるから、その話は後でいいかな?」
やっと新米教師が口を開いた。
「俺は桜だ」
「あ、桜くんだったわね」
「くん、なんていらない。
俺は桜だ」
このままでは、新米教師が倒れてしまうのでは、と私は思った。
可哀そうに、こんな変わり者のいる担任は大変だろう。
「浅川百合。出席番号1番。部活はまだ未定」
私なりの助け船は出したつもりだ。
いや、出席番号1番の私から自己紹介をするのが実に普通で当たり前のことなのだろうけど、桜は普通で当たり前のことが大嫌いな奴なのだ。
まあ、私のおかげというわけでもないが、それから自己紹介は順調に進んで行った。
誇らしげにその女子は桜を見つめていた。
「俺には恋愛感情がない」
しばらく経って、桜は言った。
皆はまたもや唖然とする。
当り前と言えば、当り前だ。
頭がおかしいのか、と思う人もいるだろうし、冗談でもそれはうけねえよ、と思う奴もいるだろう。
とりあえず、そこで一旦桜の演説は終わった。
「さ、佐倉くん。
時間おしてるから、その話は後でいいかな?」
やっと新米教師が口を開いた。
「俺は桜だ」
「あ、桜くんだったわね」
「くん、なんていらない。
俺は桜だ」
このままでは、新米教師が倒れてしまうのでは、と私は思った。
可哀そうに、こんな変わり者のいる担任は大変だろう。
「浅川百合。出席番号1番。部活はまだ未定」
私なりの助け船は出したつもりだ。
いや、出席番号1番の私から自己紹介をするのが実に普通で当たり前のことなのだろうけど、桜は普通で当たり前のことが大嫌いな奴なのだ。
まあ、私のおかげというわけでもないが、それから自己紹介は順調に進んで行った。