君は変人
「それにしても、これはわざとかって言うくらい、俺らくっつきすぎじゃね?」

源は座席表を指さし、言った。

私は1番後ろの窓側の席で、隣は桜、前に玲菜、右斜め前に源となっていた。


たしかに、と声が揃う。


「まあ、当たり前と言えば当たり前」と私が言うと、玲菜もそうだね、と言い笑った。


しかし、一人だけ浮かない顔をしていた。


「なぜだ。なぜ、俺が1番後ろの目立たない席なのだ」

どうせ、授業中寝てばかりじゃん、と玲菜は非難したが、桜はそのことには触れなかった。

「お前なあ、俺らは先生に嫌われてんだよ。ちょっとは気づけっつーの」

源は顔をしかめて言った。


「ならば、もっと謎だ。俺ら四人は、学年首位の四人じゃないか。嫌われる理由がない」


桜、私、源、玲菜の順に私たちは首位を独占している。

しかし、先生には嫌われてるのだ。

授業は全く聞かないし、一人でべらべらと話しだすし、大きないびきをかいて寝るし、簡単に言うと、授業妨害をしているのだ。

しかも、無意識に。


「ねえ、桜。桜みたいな人のことを、最近ではKYって言うんだよ。空気読めない、の頭文字でKYね」

玲菜は桜を小馬鹿にして言った。

いつものことだ。

しかし、これが始まるとややこしいのだ。


「桜、私今思ったんだけど、この席とても綺麗に桜見えるよ」
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