君は変人
四人で他愛もない中学生らしい話で盛り上がった。
ある人があの人を好きだという噂話、嫌いな先生の愚痴。
くだらない、と言われればそうかもしれない。
だけど、きっとそんなくだらない日常は、いつか素晴らしい思い出に変わる、と俺は信じている。
「もう学校着いちゃったね」
玲菜が寂しそうに呟いた。
俺はそんな玲菜の頭に手をのせ、また行けばいいさ、とほほ笑んだ。
イチャついたつもりはなかったが、浅川は眉間に皺を寄せ、その続きは二人になってからにして、と言った。
「もうー川さん、厳しいんだから」
「当人たちは気付かないかもしれないが、暑苦しいものだ」
桜は浅川を庇うように言った。
「はい、はーい。
二人きりの時すればいいんでしょ」
「そうだ。そして、はいは1回でいい。
その間延びした返事、好きじゃない」
「どうせ、あたしはいつも間延びしてます。
無駄に伸ばして、無駄に多いんです」
「誰もそんなことは言ってないだろ」
「言ってます」
「言ってない」
桜も玲菜も言い分を譲らない。
浅川と顔を見合わせ、二人を引っ張って無理やり引き離すことにした。
あんまりうるさいので、そのまま結局帰ることになった。
何だか後味は悪いが、俺ららしいと言えば、俺ららしい。