◆ 隷属執事
「紗彩様!」
真っ黒の髪に
漆黒の瞳
整った顔のその人は
私のもとに駆け寄ると
私の肩を抱いた
どうやら
お父様とお母様が連れてきたらしい
「紗彩様…申し訳ありません。私が身勝手なばっかりに……!」
その人は私を一層強く抱くけど
私はただただぼおっとしていた
あまりに反応がない私の目を
その人は
不思議そうに
悲しそうに
見つめる
そんなその人に
私は微笑みながら言う
「あなたはだあれ?」