【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
『………怖いはずだったのに』
「うん」
『…安心する』
ぽつりぽつりと話す私の言葉を、穏やかな表情で聞いている涼はやっぱり私の聞き役。
「翔にだけは安心できる…できた」
「で?」
『珠璃が大和に頭撫でられてた時…すごく幸せそうに笑ってたの』
「…うん?」
『…私は翔に撫でられた時、どんな顔してる…?』
だから聞きたかった。
聞いてみたかった。
あの時の珠璃の顔がそういう顔なのであれば、私は一体どんな表情をしているのか。
なんで安心するのか。
何故受け入れられたのか。
わからないから。
こんな自分では考えてもわからないから。
ただ…知りたかった。
それだけ。
それだけなんだよ…