【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
そのまま夜中まで話続ける私と涼の前に現れたガミさん。
その顔からは疲労の色が伺えた。
「仁菜っ!大丈夫だった!?」
私を見るなり開口一番、言ったガミさんに“大丈夫”と告げれば安心したのかホッと一息吐いていた。
あの日の私の言葉が効いたのか、ガミさんは私のスキャンダルに神経を使いすぎて疲れているようだった。
「はぁーつっかれた!何アンタ達まだお風呂も入ってないの?」
「あぁ、そーいや忘れてたわ」
ガミさんの言葉で思い出すお風呂の存在。
涼はソファーの隅に着替えを置いたまま既にビール3本、ウイスキーを2杯、ワイン半分、を空けていた。
明らかに飲み合わせの悪いと思われるそれら。
だけれどあのお店で働いているからか、涼はお酒に滅法強かった。
おまけにガミさんみたいな絡み酒じゃない。
未だに素面(シラフ)に見える涼だけど
「仁菜、お兄様と一緒に入るか?」
…少し酔っているのかなんなのか、さっきと全く同じ事を言っていた。
『…1人で入れ』
「じゃあ仁菜は私と入ろうか?」
そのガミさんの言葉に素直に頷けば、涼はやたらとガミさんに噛みついていた。