【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
お風呂に入ってガミさんに
『…私、恋したらしいよ?』
素直に告げた。
湯船にバラなんか浮かべちゃうガミさん。
その花びら一片を手に取り嗅げば、バラ特有のどぎつい匂い。
…私は好きじゃない。
涼が用意してくれるココナッツの入浴剤の方が好き。
「…翔でしょう?わかってたわよ」
なんと気付かれていたらしい。
相手まで。
…えっ!?
自分でも今さっき気付いたのに、どうしてガミさんが?
じ、とガミさんに視線を向ければ、バラの花びらを手に取りながら悠々と湯船に浸かるガミさんはまぁ、大人の色香が漂っていた。
疑問でいっぱいの顔に気付いたらしいガミさんは
「…仁菜見てたらわかったわ。アンタ前より笑うようになったわね?」
なんと涼と同じ様なことを言っていた。
どうやら私の気持ちなんて、身内のような2人にはバレバレらしい。
一緒に過ごした時間が長いと相手の事がわかるようになると言うガミさん。
クセや表情で。
…恐るべし年月。
『…私翔に、恋してるの?』
「間違いなくね」
フッと笑ったガミさんはでも、と付け足し
「スキャンダルは勘弁してね」
どこまでもマネージャーだった。