【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「お疲れ様」
『うん』
帰りの車の中。
ガミさんの運転で帰路に就く。
しかし疲れた。
私バラエティー向いてない、と思う。
司会者うざかったし、独自の恋愛観語られても私にどうしろと?
「明日はねぇ、久しぶりに夜まで何もないから学校行けるわよ」
『…ふーん』
「反応薄っ!久々に行けるんだからもっと喜びなさいよ。女子高生!」
『…ガミさんには何年前の話だろうね?』
少し笑ってガミさんをからかえば…ほら予想通り。
顔赤くして怒っちゃった。
本当よく怒るなこの人。
もうちょい落ち着きなよ三十路なんだから。
『…ガミさん』
「…なによ。私に年齢話はタブーなのよ」
知ってるよ。
わざとだよ。
ガミさんの怒った顔見たらなんか癒やされるんだよ。
…なんて死んでも言わないけどね。
私より遥かに感情表現のあるこの人の、この表情を見て私は今日も安心する。
ガミさんは今日も元気、だと。
『明日はいよいよだね?』
真っ直ぐ前を見て運転するガミさんの左手に、自分の右手を重ねてそう告げる。
「大変だろうけど頑張るのよ?亜美奈も珠璃も3人共初めてだからね。またしばらくはまともに学校行けなくなるから、明日は満喫してきなさい」
『はーい』
ここは素直に頷いておくいい子チャンな私。
こうして私とガミさんのドライブは今日も終了した。