【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「まぁね!大和この撮影中に絶対落とす!」
「じゃぁ、バレンタインは何あげるのぉ?」
俄然やる気の珠璃に亜美奈はきゃっきゃと大喜び。
珠璃が一番盛り上がる時。
今までの珠璃を見ていて、いつも片思いの時が珠璃の最高潮だったな、と思う。
「私」
その答えには私も亜美奈もは?ってなった。
『…珠璃?』
「珠璃ちゃーんっ?」
「だから、私をあげるの。大和に」
その言葉はそのままの意味だと思う。
少し恥ずかしそうに語る珠璃はあの時と同じ。
幸せそうな顔。
私もしていたらしい表情。
それ以上は語らなかったけれど、その表情に大丈夫なんだと漠然とだけど思えた。
「…仁菜は?」
『…え?』
何?
いきなり私に話を振った珠璃は、いやに真剣な顔つきに変わった。
「好きなんだろ?翔」