【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「仁菜も案外わかりやすいよねぇ〜」
ふふふ、と私のおでこをちょんとつつく亜美奈。
その顔は意地悪顔なんかじゃなくて穏やかだった。
なんと私の気持ちは2人にもバレていたらしい。
ガミさんの言うように、過ごした年月が長いと相手の事がわかるようになるらしい。
彼女達と知り合って約3年。
たかが、3年。
されど、3年。
ガミさん達の次に近い存在。
言うなれば、第2の姉といった所だろうか。
「あーあ。そんな表情するようになっちまって」
ベシっと私の肩を叩きながら言う珠璃も表情は穏やか。
…痛いけども。
『…そんな表情?』
ってどんな表情?
「私、恋してます〜って表情だよ」
「仁菜からもピンクオーラでてるよぉ」
腕で小突く珠璃も私の頭をなでなでする亜美奈も、穏やかな顔してるから私も…クスリ、笑った。
ダンスレッスンそっちのけに話し込んでいた私達に「話は終わったかしら?」と嫌味を言われるのは後数分後の話。