【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「なんだぁー大和は珠璃が好きなんじゃなかったのかぁ?」
陽気な声が真後ろから聞こえる。
ビクつきながらも振り返れば
出た、本田。
彼は本日もTシャツ1枚だった。
絶対におかしい。
絶対に今日寒いでしょう?
明らかに場違いな格好の本田を、私はただ訝しげに見ることしかできなかった。
しかも私に振らないで欲しい。
そんな話。
「お前らみんな青春ってか?
大和と珠璃、お前と翔。
次は亜美奈と、どっちだろうな〜?」
何も答えていないにも関わらず、話続ける本田は噂好きのただのバカだ。
しかも吹聴し回っているように感じる。
青春って…
前にも言っていた。
『…本田さん』
「お?なんだ?」
『…照明さんが呼んでましたよ』
うんざりして嘘を教えた。
だってなんか、この人苦手。
私の嘘に「マジか!」ずかずか去って行ったのを見て私も控え室に戻った。