【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
マンションに帰って開口一番。
「大和って落ち着いてるよな」
『…は?』
「いや、前珠璃と2人で来た時から思ってた事」
ニヤリと笑った涼。
…うん。
涼よりはね。
涼にマンションまで送ってもらう為に、店で待ってようと思ったのに。
店を他の人に任せて自分も帰ると言い出した涼。
その物言いは、駄々をこねる子どもの様だった。
「なーんか珠璃がハマるのもわかるかも…?」
クスッと笑う涼は何かを思い出しているようで、以前に2人で来た事でも思い出しているのだろう。
『…涼は、いないの?彼女』
そういえば、聞いた事がない。
彼女の話を。
あれ?っと思っていた私に涼は一言。
「俺が1人の女に絞ったら他が泣くだろ」
…あっそう。
聞かなきゃ良かった。