【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「…あー今日、暇?」
『え?』
今なんて?
じっと翔を見るけれど、その双眸からは何もわからなかった。
「いや、今日暇があるんなら付き合って欲しいんだけど」
『…あ、うん。いいよ』
真意はわからないけれど、返事はOK。
まさかの翔からの誘いには戸惑いはあったけれど、断る理由は一つもなかった。
だってこれで渡せる。
2人に、なれる。
「フッ、じゃぁ終わったら駐車場な」
ポンポンとリズムよく頭を叩いた後、翔はトイレと席を後にした。
不意に見せる翔の笑顔が私をメチャクチャにする。
ぽけっとその後ろ姿を見つめていた私は多分、顔が赤かったと思う。
だって顔が熱かったから。