【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
暖かい家庭…?
そんなものはわからないけれど。
ガミさん達といる時みたいに、甘えられる存在がいて穏やかな時が流れる。
そんな未来ならいい。
…そんな未来が、いい。
「見せてやるよ」
『…え?』
「俺が、仁菜に幸せな未来を見せる」
『…翔?』
流れていた音楽のボリュームを少し落とした翔の表情はわからないけれど、少しだけ緊張している様に感じた。
「だから、俺と付き合って」
『……』
「好きな奴、いないだろ?なら…」
『…いる』
「は?」
『…好きな人、いるよ』
あんただよ…翔。