【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
私の言葉に眉を跳ね上げたのがわかった。
こっちに向きたいけれど、向けない。
そんな感じの翔は、2km先にあったSAに入った。
『…最近、知ったの』
「…」
駐車場に止められた車の中。
辺りは暗くてあまり見えないけれど、前方には明るいお店が立ち並んでいた。
『…恋、してたの』
「………」
翔は何も言わない。
ただ、じっと私の双眸を捉えて離さない。
『ガミさんも、涼も、珠璃も、亜美奈も、みんな気付いてた…私より先に』
「…は?」
『ね、頭撫でて。あれ凄く落ち着く』
そう告げれば少し困惑しながらも、私の頭を撫でてくれた翔。