【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
『…聞いてない』
通路を挟んだ右隣を見れば
「………」
ずっと黙秘らしいガミさん。
「んなテンション下げんなよ!」
…下がるだろうよ。
珠璃はもう黙っていて欲しい。
だって私は今日の夕方、普通に迎えに来たガミさんの車に乗り込んだ。
仕事に行くために。
だけれど、着いたのは空港。
そこには既に珠璃と亜美奈の姿。
手には大きなキャリーケース。
ガミさんもいつの間にか、トランクからキャリーを2つ取り出し、手に持っていた。
…言葉にできなかった。
意味が、わからなかった。
そのまま成すがままに連れて行かれた搭乗ゲート。
…国際線。
ガミさんは私の荷造りもしていて、パスポートも持っていた。