【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


オレンジ色に染まる海。



昼間のそれとはまた違った顔を見せる。



砂浜にはサーフボードを担いだ人や、夕陽を眺めに来たカップルがちらほらといた。



私は真っ白からオレンジに変わった砂浜に腰を降ろし、海を眺める。



赤にも見えるオレンジは暖かい色で、ゆっくりだけども確実に辺りを夜へと誘う。



そんな夕陽を見ながら考えた。




翔の事。



私はいつからこんなにも翔で埋まってしまったのか。



なんで、こんなにも胸が締め付けられるのか。





…翔への気持ちは夕陽が沈む瞬間と似ている。



暖かな光を届けて、また明日へと導く。



沈む瞬間はちょっぴり切ないけれど、明日が在る事を教えてくれる。



翔は私にとってそんな存在なんだ…



私を未来へと導いてくれる。



…そんな存在。


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