【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
膨れっ面になった彼女こと、峰ちひろも歴とした芸能人なわけで。
肩まであるふわふわな髪と、幼い顔立ちのちひろは、いわゆる美少女。
なんか幼い頃は、美少女コンテストなるもので優勝したとか、なんとか。
…まぁ私と違って今は専ら売れてないらしいけど…(本人談)
ちひろとはこの学校で初めて会ったわけだけど、この人懐っこい性格故に、こんな無愛想な私なんかとも友達やってくれてる貴重な人物。
「でね、やっとケイゾウにステップ褒められたの」
目を輝かせて話すのはどうやら昨日の授業の話みたい。
ケイゾウとはダンスの先生で昔はプロのダンサーだったとか。
私は一度もあった事ないから知らないけどね。
「あとねぇ、あっ!私もプリメーラ出るんだよ!!」
『…は?そうなの?』
「うんっ!…って言っても脇役だけどね」
『…へぇ…』
えへへへと、はにかむちひろは、まぁ一般的に可愛いと思う。
そしてまさかの彼女の話にふと思う。
そういえばちひろの演技見たことないかも…と。