【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「そんなに迷うなら無難にアロハシャツでも買えば?」
『え?』
そう言って翔が指で示したショップは衣服が所狭しと並ぶ場所だった。
『………』
…あそこに、入れと?
ウッドテイストのそのお店。
壁にはカラフルなアロハシャツがディスプレイされてて、可愛いとは思う。
思うんだけど…
『…人、多いね』
「まぁ観光地だからな」
…そう。
人が多い。
まぁ他のショップもあまり変わらないんだけれど。
お店が狭いからかな?
余計に人口密度がすごい気がした。
溢れかえる人に若干引き気味になりながらも、アロハシャツを手に取る。
…社長ってアロハシャツとか着るかな?
涼は着そうだけど…
あの長めの茶金の髪と、軽そうな顔立ちの涼には似合うだろう。
私は迷った挙げ句適当に見繕って、アロハシャツを2枚購入した。