【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「じゃあ行こうか」
『…どこに?』
ニッと笑った翔は「良いところ」言っただけだった。
私の手からスルリと荷物を取り上げた翔に、質問をしても上手くかわされるだけ。
なんかこの質問ばっかりしてる気がする。
…翔ってたまによくわからない。
何を考えてるのか全く読めない。
ガミさんなら、すぐにわかるのにな。
そんな事を考えながら手を引かれて歩いていた。
見上げた空が青くて、雲なんて一つもないのに暑くはなくて、こんな常夏と言われる場所なのに…
不思議な気分になった。