【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「あ、私亜美奈迎え行くから大人しくしてなさいよ」
そう言って、ジャケットを手に取りビシッと私たち2人を指差したガミさん。
『…………』
なんだろうか?
乱雑なデスクを見て思う。
「ガミに言われたくないよな〜」
『…同感』
そう。
ガミさんには言われたくない。
あの年でイケメンには抗えないとか言うし、片付けは出来ないし、料理も出来ない。
…………。
あれ?
ガミさんのいい所が……
「なぁ〜仁菜は寂しくねーの?」
珠璃はガミさんが出て行った扉から、私へと視線を移す。
その気怠い表情はどこで習得したのか。
自分のぎっしりと詰まったスケジュール表を見ながら思う。
…寂しくないわけが、ない。
翔から貰ったペンダントをきゅっと握って深呼吸。
そして
『…寂しくないよ』
強がりを言った。