【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


「いいよな〜仁菜はよぉっ」



盛大な溜め息を吐いた珠璃は、更に私を観察するようにじろじろ見だした。



その行動にさっきから、顔を顰めるしかない私。



…ちょっとウザいなぁ。
そう思いながらも机に置かれたカフェオレを口に含む。



あ、この味が一番いいや。
程良く甘いカフェオレ。



…ハワイのは甘すぎたしね。



「…ガミにバレたら大変だな?」


『!!!!』



私の首筋をツーっとなぞって、呟いた言葉に思わずカフェオレを吐き出しそうになった。



ぎょっとして、珠璃を見る私に



「脱ヴァージンおめでと〜」



何とも涼しげな顔で言ってのけた珠璃。



『……』



恥ずかしくなって、黙って髪を前にもってきて首を隠す。



「あーバレバレ。もう亜美奈も気付いてるって〜」



ふふんと笑う珠璃は「気付いてないのはガミだけ」言って再び、机に足を乗せた。


< 189 / 410 >

この作品をシェア

pagetop