【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「おっつっかれぇ〜」
事務所に亜美奈の陽気な声が聞こえたのは、かれこれ1時間後の事だった。
ファッション誌の取材かなんかだと言っていたけど、そのまま帰って来たのだろうか…?
亜美奈はメイクやヘアがすごい事になっている。
「はぁ亜美奈は取り敢えずシャワーしてきなさい」
「はーい」
ガミさんに強制的にシャワールーム行きを命じられた彼女は、素直に頷いてシャワールームへと消えていった。
ふぅと溜め息を吐いたガミさんは、散乱したデスクに腰掛ける。
「なぁガミー?」
「何よ、珠璃」
「マネージャー変わるって本当かー?」
ブフォオォッ
『……汚い』
珠璃の質問に、飲んでいたお茶を盛大に吐き出したガミさん。
…本当やめてほしい。
「あんたどこからそんな…?」
慌ててハンカチで辺りを拭くガミさんだけど、散乱した先は書類。
…紙なわけで。
既に十二分に水分を吸っていた。