【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
その日の夜撮影を終えて、ガミさんとガミさんの家に帰った。
お土産を渡すために。
夜12時、普段はいないはずの涼は今日休みだったらしく珍しく家にいた。
「…よぉ仁菜。久しぶり」
『…はいこれ。お土産』
手に持っていた、マカダミアナッツとチョコレート。
それにアロハシャツを手渡した。
今から寝るのかなんなのか、べろんべろんのスウェットを着た涼。
茶金の髪がボサボサになっていますよ?
『…社長にも渡しておいてね?』
「あぁ、わかってるよ」
「じゃぁ私お風呂入ってくるわ。仁菜も入る?」
ガミさんはいつの間にか手にバスタオルと着替えを持っていて、バスルームへと向かっていた。
『…いや、翔に電話するから後でいい』
「うわぁ…仁菜の口からそんな事が聞けるなんて…」
久々に会った涼は目を丸くしてそんな事を言っていたけれど、無視してベランダへと出た。
後ろでは涼の「お兄様をシカトすんな」って声が聞こえていたけれど。
そこもシカトした。