【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
『翔?今大丈夫?』
「……………仁菜?んー今起きる」
『5時起きなんてアイドルも大変だね?』
19時間の時差。
今こっちは夜中の12時過ぎだから、ハワイは朝の5時。
クスリ笑って、空を眺める。
星はこの都会ではあまり輝いて見えない。
それでも空を仰いで、少し肌寒い夜風にあたる。
「………仁菜もアイドルだろ」
『まぁね。こんなのがアイドルでいいのかな?』
「………いいんだよ。仁菜はちゃんとアイドルしてんだろ」
その言葉に笑みが零れる。
ちゃんとアイドルって…
してるって…
…アイドルってみんな偽物なのかな?って疑問が出てきて笑えた。
『今日ね、ガミさんにマネージャーが増えるって言われた』
「………は?」
『翔も知ってると思う。榎本海斗って人』
「………そいつがマネージャーに?」
『売れないから転身したんだってガミさんが言ってた』