【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「吃驚した〜?」
『…まぁ』
「あ、大河君来ていたんですか」
会議室に戻って来た榎本海斗は礼儀正しい方だった。
…気持ち悪い。
「仁菜、大河君と台本読みしていて下さい。私はちょっと用事がありますから」
終始丁寧に話た榎本海斗は会議室を後にした。
『…………』
…仁菜とか呼んだことないじゃん。
「仁菜ちゃん大丈夫〜?」
『…あ、うん』
その声にハッとする。
大河は私の向かいに座って、身を乗り出した。
そして話し出した。
ここにいる理由を。
「夜から撮影じゃん?」
『…うん』
「たまたまオフの俺が頼まれたわけ。」
『…誰に?何を…?』
「榎本さんに台本読み手伝ってやってくれって」
『…は?』
意味が分からない。
なんで榎本海斗が大河に台本読みを…?