【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
衣装のままなんてどうでも良かった。
ただ、逃れたい。
もう嫌なの…
なんで私はアイドルになった?
社長に言われたから?
ただ私は恩返しがしたかった。
…なんの?
私はなんであの人に拾われた?
…救ってくれたのは何から…?
私は何を忘れてる?
スタジオを出れば、大雨で…
天気までもがこんな私と同じだった。
泣きながら走る姿なんて、誰にも見られたくないから…そこは丁度良かったのかもだけれど。
身体がまだ震えてうまく走れないけれど、もつれもつれになりながらも私は走った。
翔のマンションへと。