【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「げ…だ…」
「…が…」
誰か話してる…?
低い話し声に頭が徐々に覚醒していく。
『…ん』
いつの間にか寝てたみたいで、時計を見れば夜中の4時だった。
リビングから聞こえるのは、涼と社長の話し声…?
ベッドからそっと起き上がり、ドアノブに手をかける。
『…りょ…』
「…いつになったら仁菜に自分が父親だって言うんだよ」
「それは…」
その涼の言葉に頭が真っ白になった。
え…?
父親って、社長が…?
「親父はただ逃げてるだけだ。仁菜はもう大丈夫だ。トラウマは克服してる」
「だが、本当の事を言えば仁菜は…」
「親父!!」