【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
ベッドに腰掛けたガミさんは私をその隣に座らせて私の目尻をそっと拭う。
「…パパの話聞いたんでしょう…?」
『…うん』
ガミさんはわかっていた。
私の父親が壱成さんだという事を聞いた事を。
「仁菜は…辞めたいの?芸能界」
『…なんでっ……』
ガミさんが知ってるの…?
それは…
その言葉は―…
翔に言ったものなのに。
じっと見据える私の瞳をガミさんも見つめて、口を開いた。
「翔から連絡あったわ」
『………』
連絡…?
翔がガミさんに?
「翔は仁菜を心配して私に連絡して来たわ。…泣きながら芸能界を辞めたいと言った仁菜に、マネージャーと何かあったんだろうって」
ガミさんは私の頬に手を当てて、言葉を続ける。
「…マネージャー嫌いなんでしょう?みんな気付いてたわ。仁菜顔に出ていたから」
その言葉に何故か大河に気付かれた時を思い出した。
私顔に出ていたんだ…