【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
「もちろん理由まではわからなかったから、一緒に仕事をしていく内に仲良くなっていくと思って、彼に仁菜に付いていてもらってたの」
それで私は榎本海斗とずっと一緒だったのか、と納得できた。
「…だけど、私のミスね。彼があんな…」
そこで言葉を詰まらせたガミさんは苦い表情を浮かべていた顔を俯かせた。
シーツをぎゅうっと握りながら。
『…ガミさん?』
「今日、仁菜が現場から飛び出して行ったって聞いて…彼を問い詰めたの…そしたら…全部話したわ」
『……ごめんなさい』
私の言葉に俯かせていた顔を上げて「…仁菜?」困惑した表情を浮かばせた。
『…私が中途半端な気持ちで芸能界にいるから…悪いの』
だから、イライラする、嫌いと言っていた。