【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
『だけどギリギリで私…助けられたの。…壱成さんに』
「…壱成?」
『うん、相模壱成。ガミさんと涼の父親』
翔は目を私に向けたまま、頭を撫でてくれる。
ねぇ聞いて?
私の家族の話。
翔は喜んでくれる…?
『…壱成さんは私の父親でもあるの』
「は…?」
目を見開いてぽかんとした翔に、さっきの壱成さんと涼から聞いた話をそのまま話した。
『…だからガミさんも涼も本当の兄弟だったの。私、暖かい家族が、できたの…』
泣いてなかったはずなのに、気付けば翔から目尻を拭われていた。
『…願った事が現実になって嬉しいの』
「…あぁ」
『…でね?壱成さんが今度翔に会わせてって…言ってた』
「フッいいよ」
微笑んでくれる翔に嬉しくなる。
翔も一緒に喜んでくれたみたいで…