【完】白い花束~あなたに魅せられて〜


『…んっ』



いきなり落とされたベッドで、唇を奪われる。



舌を絡める翔にぞわりと身体が粟立つ。



…だけど、それは恐怖じゃない。
ぞくぞくするって言った方がいいのかもしれない。



シャランっと金属がぶつかる音がしたかと思えば、私の胸元にあるペンダントが、翔の首にかけられたペンダントとぶつかった音。



翔から貰ったおそろいの、ペンダント。



「…これの意味わかったんだろ?」



ニヤリ口端を持ち上げた翔は、妖艶な笑みを浮かべて、乱暴に上の洋服を脱いだ。



『…わかった…よ』



どこを見たらいいのかわかんない私は、カーテンに視線を向ける。



だけどすぐにクイッと顎をもたれて、真正面を向かされた。



交わる視線に恥ずかしくなって、顔が熱くなる。



ドキドキでおかしくなりそう…






「愛してる。仁菜」


そう言った翔はそのまま熱い、甘いキスを私に落としたんだ…




どうしたらいいのかわかんなくて、ただ翔という存在に溺れて波に呑まれた。


< 264 / 410 >

この作品をシェア

pagetop