【完】白い花束~あなたに魅せられて〜
『…んっ』
いきなり落とされたベッドで、唇を奪われる。
舌を絡める翔にぞわりと身体が粟立つ。
…だけど、それは恐怖じゃない。
ぞくぞくするって言った方がいいのかもしれない。
シャランっと金属がぶつかる音がしたかと思えば、私の胸元にあるペンダントが、翔の首にかけられたペンダントとぶつかった音。
翔から貰ったおそろいの、ペンダント。
「…これの意味わかったんだろ?」
ニヤリ口端を持ち上げた翔は、妖艶な笑みを浮かべて、乱暴に上の洋服を脱いだ。
『…わかった…よ』
どこを見たらいいのかわかんない私は、カーテンに視線を向ける。
だけどすぐにクイッと顎をもたれて、真正面を向かされた。
交わる視線に恥ずかしくなって、顔が熱くなる。
ドキドキでおかしくなりそう…
「愛してる。仁菜」
そう言った翔はそのまま熱い、甘いキスを私に落としたんだ…
どうしたらいいのかわかんなくて、ただ翔という存在に溺れて波に呑まれた。